プロのライターが教える! Oengus「ゲーム概要」の書き方講座

ごきげんよう紫乃です。

 

突然ですが、皆さんはOengusを使ってRTAイベントに応募する際、ゲーム概要の欄をどんな風に書いていますか?

「文章とか苦手だし、とりあえず埋めておけばいいや」という人や、「必要最低限のことだけ書けばいいかな」という人もいるのではないでしょうか。

 

ですが、せっかくゲームの選定者に直接アピールできる機会なのだから、ゲーム概要の欄も有効活用しなきゃもったいないですよね。

というわけで、これでも一応プロのライターとして活動している筆者が、Oengusのゲーム概要の書き方を自分なりに解説しようと思います。

もちろん、ゲーム概要の書き方には正解があるわけではないので、「ふ~ん、そういう考え方もあるのね」くらいに考えてもらえるとありがたいです。

 

追記:この記事の続編を書きました。よろしければこちらもご覧ください。

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採用率が上がる(かもしれない)ゲーム概要のポイント

保険として「かもしれない」と付けてしまいましたが、ゲーム概要の内容がゲームの選定者に少なからず影響を与えているのは事実だと思います。

では、そんなゲーム概要で注意すべきことは何でしょうか。筆者は以下の2点だと考えます。

 

  • 「見ていて」面白いポイントを盛り込む
  • 不要な情報はできるだけ削る

 

それぞれについて、順番に解説します。

「見ていて」面白いポイントを盛り込む

イベントに採用するゲームを選ぶにあたって、最も重要なポイントの1つは「イベントで披露して盛り上がるかどうか」ではないでしょうか。

そこで、見ていて面白いポイントをゲーム概要に盛り込むことが、ゲーム選定者へのアピールにつながると筆者は考えます。

 

ここで注目すべきは、「ゲームをプレイしていて」面白いポイントではなく、「見ていて」面白いポイントこそがアピールになるという点です。

初心者大会など、特定のゲームを始めてもらうことを目的としたイベントは別ですが、その他の一般的なRTAイベントにおいては、ゲームをプレイした際の面白さよりプレイングを見ている際の面白さが優先されるからです。

 

実際の文章例を見てみましょう。以下は、バグ技を駆使して進むアクションゲームのRTAを想定した文章です。

なお、以降の文章例は記載がない限り、ジャンルを特定しないイベントに提出するものとします。

 

文章例1

壁抜けやボススキップ、空中浮遊など、通常プレイでは見られないさまざまなバグ技を駆使して最速クリアを目指します。

この例ではさまざまなバグ技がある想定ですが、特に見どころの大技がある場合には、その大技に絞って記載するのも良いと思います。

 

また、見ていて面白いポイントは、プレイングそのものでなくても構いません。

文章例2

早くクリアできるかどうかは乱数次第です。お祈りをお願いします。

「これは見ていて面白いぞ」と思ったら、さりげなく組み込んでおきましょう。

不要な情報はできるだけ削る

ゲーム概要の書き方だけでなく、文章全般に言えることなのですが、言いたいことをあれこれ詰め込みすぎると逆効果です。不要な情報はできるだけ削り、簡潔に書きましょう。

 

たとえば、RTA in Japan 2020には、500件以上の応募がありました。

仮にあなたがゲームの選定を任されたとして、500件以上の説明文を最初から最後までじっくり読む気になれますか? 多分大半の人は無理だと思います。

そんな中で長い文章を書いたところで、全部読んでもらえる確証はないです。本当に伝えたいことを際立たせるためにも、不要な情報はなるべく削りましょう。

 

具体例を見てみましょう。たとえば、ゲームのあらすじは簡潔にまとめられることが多いです。

文章例3-1

バイオハザード3は、1999年にカプコンが発売したPlayStation用ソフトです。本作の舞台はラクーンシティバイオハザード「洋館事件」の元凶であるアンブレラ社の内乱によって発生した大規模なバイオハザードに、主人公のジル・バレンタインが巻き込まれるところからストーリーがはじまります。交通網が断たれ、ゾンビだらけになったラクーンシティからの脱出を試みる、サバイバルホラーゲームです。

読んでいただければ分かるとおり、イベント中の解説ならまだしも、選定のタイミングでここまでの詳しい説明は必要ありません。

 

ざっくり削ってしまいましょう。削った結果はこんな感じです。

文章例3-2

バイオハザード3は、1999年にカプコンが発売したPlayStation用のサバイバルホラーゲームです。

ばっさり削ってしまいましたが、削った文字数で見どころを紹介した方がよっぽど効果的です。勿体ぶらずに削りましょう。

実際のゲーム概要を見てみよう

では、紹介してきた2つのポイントを踏まえて、実際のゲーム概要の文章を見てみましょう。

以下の文章は、筆者が実際にRoad to the Recordというイベントに応募した際のゲーム概要です。

 

文章例4

パズルボブル2は、1995年に稼働を開始したタイトーパズルゲームです。同じ色のバブルを3つ繋げて消すというシンプルなルールは前作から変わらず、種類豊富な特殊バブルや個性豊かなキャラクターと戦う対戦モードの搭載により遊びの幅が広がっているのが特長です。

かわいらしいキャラクターデザインとは裏腹に難易度が高く乱数に大きく左右されるこのゲームは、世界記録保持者をもってしてもRTAイベントでコンティニューすることなくクリアすることは困難です。パズルボブルのお姉さんとして、乱数と和解して自己ベストを更新する姿を皆様にお見せできればと思います。

なお、今作はさまざまな家庭用ゲーム機に移植されていますが、今回使用するのはアーケード版を忠実に移植した「アケアカNEOGEO」シリーズのNintendo Switch版です。

 特に重要な部分は太字にしてあります。それぞれの段落ごとに、太字の部分を中心に詳しく見ていきましょう。

 

文章例4-1

パズルボブル2は、1995年に稼働を開始したタイトーのパズルゲームです。同じ色のバブルを3つ繋げて消すというシンプルなルールは前作から変わらず、種類豊富な特殊バブルや個性豊かなキャラクターと戦う対戦モードの搭載により遊びの幅が広がっているのが特長です。

ここでのポイントは、ゲームの概要を最初に説明することです。少なくともジャンル(アクション、RPG、パズルなど)は1文目で説明しておきましょう。

マリオ64のような誰でも知っているメジャータイトルなら別ですが、大抵のゲームは「知らない人が選定者の中にいるかもしれない」と思って書いた方がいいと思います。ただし、簡潔にまとめることをお忘れなく。

 

文章例4-2

かわいらしいキャラクターデザインとは裏腹に難易度が高く乱数に大きく左右されるこのゲームは、世界記録保持者をもってしてもRTAイベントでコンティニューすることなくクリアすることは困難です。パズルボブルのお姉さんとして、乱数と和解して自己ベストを更新する姿を皆様にお見せできればと思います。

この段落は、ゲームの説明をしつつも「見ていて」楽しいポイントをアピールしています。世界記録保持者を引き合いに出しているのは、ゲームを知らない人にも乱数のひどさが伝わるからです。ここでも前段落と同様、ゲームを知らない人にも分かってもらえる文章を心がけると良いと思います。

ちなみに、このイベントが「制限時間内に記録更新を目指す」というものだったので意気込みを書いていますが、普通のRTAイベントの際には必須ではないと思います。かと言って絶対に要らないわけではないので、お好みでどうぞ。

 

 

文章例4-3

なお、今作はさまざまな家庭用ゲーム機に移植されていますが、今回使用するのはアーケード版を忠実に移植した「アケアカNEOGEO」シリーズのNintendo Switch版です。

最後の段落は業務連絡です。別の欄で使用するハードを申請していますが、念のため書いておいておきました。

こういう「そこまで大事じゃないけど運営に伝えておきたいこと」は、最後にまとめて書いておくとすっきりして良いんじゃないでしょうか。

せっかくだからゲームの魅力が伝わるゲーム概要を書こう

以上、簡単ですが筆者なりのゲーム概要の書き方を紹介しました。

ゲーム概要は、正々堂々とゲーム選定者にアピールできる数少ない場所だと思います。ぜひ有効活用して、どんどんイベントに出て、自分の好きなゲームを世に広めましょう。

Oengusのゲーム概要の書き方をもっと知りたい方は、続編もぜひご覧ください。

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あと、せっかくだから私の好きなゲームもやってください。

store-jp.nintendo.com

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