タイトーの回し者、遂にオフイベントで走る ~名古屋RTAオフ2022参加レポ~

ごきげんよう紫乃です。

去る2022年5月5日~7日に行われた「名古屋RTAオフ2022」に、走者として参加してきました。

 

イベント参加の感想は既に記事にしていますので、ここでは私が走ったRTAについて詳しく語ろうと思います。

お時間がある方はこちらもどうぞ。

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応募まで

2022年1月、名古屋RTAオフ2022の走者募集が開始されました。

 

実はイベントの存在そのものは2021年の時点で発表されていたので、「今度こそオフで出たいな」とずっと思っていました

「今度こそ」というのは、2020年にオフラインで開催予定だったイベントが、ご時世の都合上オンライン開催になってしまったからです。そのオンラインイベントで走ったのは、今回走ったのと全く同じ、アーケード版初代パズルボブルでした。

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今回応募するにあたって、「自分が走れる中で一番自信があるのはどのゲームのどのカテゴリか」と思った時、真っ先に浮かんだのが初代パズルボブルだったので、このゲーム一本で応募しました。

2年前に参加した際はROUND26で3回コンティニューしたので、そのリベンジも兼ねてです。

 

前回はお兄さんとの並走でしたが、今回は単走で挑みました。お兄さんとの並走だと実力差がありすぎるからです。

お兄さんには、応募時点で「受かったら解説お願いね」と依頼していました。

発表時

採用されました。嬉しかったです。

お兄さんもパズルボブル3DXを応募していましたが、XIゴだけが受かったので、パズルボブルをこのイベントで走るのは私だけになりました。

 

ちょうどイーグレットツーミニの発売直前に採用が決まったため、イーグレットツーミニもがっつり走りたかったのですが、キリのいいところまで詰めて一旦置いておくことに。

 

とはいえ、ずっと初代パズルボブルばかり走っているのも息が詰まりますし、フォロワーさんの配信を見ていたら走りたくなっちゃいますよね。

そんな感じで息抜きでパズルボブル2のVSを走ってみたら、うっかり日本記録が出ました

「これ名古屋で走るやつじゃないの!?」というツッコミも受けましたが、おっしゃる通りだと思います

 

ご時世はいつまでも良くなる兆しが見えませんでしたが、無事にオフラインで開催されることを祈り続けました。

スケジュール調整

採用が発表されてから、運営の方から「スケジュールの希望があれば受けます」とアナウンスしていただけたので、お兄さんと一緒にスケジュールを合わせました。

しかし、お兄さんは並走で参加&他のゲームを走る解説者の方がいらっしゃるとのことで、パズルボブル・XIゴ・DDR3作品の走者4名でスケジュールを調整。全員が参加できる5日に配置してもらうようお願いしました。

 

新年度に入った4月2日、スケジュールが発表されます。

まさかの前から3番目。それよりも驚くべきはXIゴがトップバッターで、パズルゲームゾーンからイベントが始まることです。

特に、XIゴに関しては関係者がみんなザワついていました

「トップバッターなのにXIゴなんですね…(((」

「さいしょ!!??」

「素でウェェ!?って声出ちゃった」

そりゃあ驚きますよね。私も驚きました。

本番までの練習

イーグレットツーミニでの記録狙いがひと段落した3月下旬以降、集中的に初代パズルボブルの練習を続けました。

実は、このカテゴリは採用が決まる直前に自己ベストを30秒ほど更新したばかりでした。

 

記録を更新した直後は「なんやこのタイマー速すぎやろ」状態で記録なんてそうそう出ないだろうと思い、記録狙いより通しを安定させる練習をしていました。

ほぼ毎日のように走り込み、タイムをメモしてはまた走りだすのを繰り返していました。短いRTAなので、2時間あれば6本走れるので良いですね。

そんな感じで通し練習を繰り返していたら、なぜか記録が出ます

しかし残念ながら録画外。録画していない時に限って記録が出るのが、私のメンタルの弱さを如実に表しています


記録が出ることが分かってしまうと、なんとか更新したいと思うのがRTA走者。

配信中にも「15面でコンティニューしてなければ記録があった」のような惜しい走りもあり、手ごたえは掴んでいました。

そして4月下旬、遂にその瞬間がやってきます。

しかし、グダグダなときは本当にグダグダで、6面でゲームオーバーになってリセットするのを2連続でやったりしていました。

20分を超えることも稀にあったので、その度に「ESTを25分で出しておいて良かった」と思っていました。ESTの余裕は心の余裕。

記録を更新できても全く安定しないので、本当に心配でした。失敗した時の言い訳ばかり考えていました。

 

あまりにパズルボブルをやりすぎて、本番一週間前くらいから毎日、寝る前に目を閉じると瞼の裏にバブルの幻影が見えるようになりました。病気じゃん。

この頃は別件で精神的に追い詰められていて、体調もすぐれず、「名古屋行きたくない」と毎日弱音を吐いていました。根気強く励まし続けてくださった某氏、本当にありがとうございました。おかげで名古屋で楽しい時間を過ごせました。

本番当日

できることは何でもしましたが、結局睡眠時間は確保できず、朝5時に目を覚ましました

これのおかげかは分かりませんが、睡眠時間が短いわりに寝起きはとてもすっきりしていました。

まだテレビにつないだままだったSwitchで1本通したら、18分半を超えていました。「寝起きだし仕方ない」と自分をなだめ、手持ちの荷物にSwitchを入れました。

 

8時過ぎの新幹線に乗って、一路名古屋へ。新幹線の車内で走ったら20分を超えました。悲しくなってそっとSwitchをしまいました。

この時の走りはタイムもさることながら、走っていて「これはグダグダだから20分超えたな」という感覚が全くなかったのがショックでした。

体内時計が完全に狂ってるんですよね。「これ今日ヤバいかもしれない」と思いつつ、YouTubeで動画を見たりTwitterを見たりお手洗いに行ったりしながら過ごしました。


会場に着いてからはうって変わって絶好調で、練習として走った2本はどちらもノーコンティニュークリアでした。

用意していただいたモニターがとにかく見やすくて、エイムがサクサクと決まりました。やはりゲーミングモニターはすごいですね。私も買おうかな……。

 

練習の1本目は17分台。たしか17分半くらいで、「本番で16分台が出せたらいいなあ」と考えながらXIゴを見に行きました。

ちなみに、走り込み中に17分切りができた走りはおよそ8%。恐ろしいことに、20分をオーバーした走りの割合とほぼ同じです。16分台はそれほど出にくいというわけですね。

2本目はお兄さんとのリハーサルで、計測はしていなかったものの、これも多分17分台だと思います。もしかしたら18分を超えてたかもしれませんが、「今日はいけるぞ」と思っていたのは事実です。

 

ここでお兄さんがお昼ごはんを食べに行きましたが、私は行かずに4階の楽屋へ向かいます。

これ以降、練習は一切しませんでした。パズルボブルはやりすぎると疲れるし、ここで悪い乱数を引かされてテンションが落ちるくらいなら、「今日はいけるぞ」という気持ちのまま本番を迎えたかったからです。

本番までは楽屋でゴロゴロしたり、メンテマンさんのGood Job!をチラチラ見に行ったりして過ごしました。

 

30分ほどして、お兄さんがお昼ごはんから帰ってきました。向かいのインド料理屋さんに行ってきたそうで、美味しかったとのことです。

睡眠時間が足りてなくて限界のお兄さんが楽屋で寝始めたので、Switchを持って会場へ移動しました。

 

会場に入ると、ちょうどGood Job!のタイマーが1時間を過ぎたあたりでした。

8階と9階は客席でちゃんと見れました。やっぱりGood Job!は面白いですね。

Good Job!が面白いおかげか、ちっとも緊張しませんでした。空席のほとんどない客席で、フォロワーさんの席の隣にSwitchを置かせてもらいながら、早く走りたくてウズウズしていました

出走直前

セットアップ中に、Good Job!の走者さんと解説者さんのインタビューが行われていました。インタビュー用のカメラが立派すぎてビビりました。

作業員姿のメンテマンさん(Good Job!の走者さん)と写真を撮りたかったのに、撮れなくて残念でした。でも終わってからお話できたので良かったです。

 

画面が切り替わると、お兄さんがなぜか挨拶を間違えました。これは仕込みとかではなく、ガチの情報の齟齬です。

私はリハの時、確かに「ぱよんぱー!」でいこうと言ったはずです。ご飯を食べてきたお店に置いてきちゃったのかな? なら仕方ないですね。カレーと一緒に煮ておいてもらいましょう。

 

それで緊張が解れたのであれば結果オーライだったのですが、元から緊張してなかったので逆にドギマギしました

序盤でくだらないをミスしたら、「お兄さんが挨拶を間違えるからです」と言い訳しようと思っていました。

プレイ中

改めて見返してみると、びっくりするほど精度が低かったです。なんでそこが入らないんだ。よく17分切れたな?

でも、エイムミスが重大ではなかったことと、乱数に助けられたことで、なんとかグダグダにならずに完走できました。やはり積むべきものは徳です。

2週間位前までは、色の減らし方が雑でゲームオーバーになることが多かったので、色を丁寧に減らすことを意識して練習したのが功を奏したのだと思います。

 

乱数が酷いときとプレイングが雑魚すぎるときのコメントも考えてましたが、使わなかったのでここで供養しておきます。

1色を待つのが悪いんです。何も知らないならまだしも、このゲームの乱数はそういうものだって知っててこうするんですから。

皆さんも、この時期に車で出かけようとして自然渋滞にはまって予定に遅れたら、仕方ないと思うと同時に『GWだから道路も混むだろうし、もっと早く家を出ればよかったな』って思いますよね、それと同じです。

 

それ以外にも喋りたいことはありましたが、お兄さんがめちゃくちゃ喋るので黙々とバブルを消していきました。

ちなみに、言いたかったことはだいたい「練習中にここで複数回ゲームオーバーになりました」でした。6と8と15と16と25で言う予定でした。


そんな感じでプレイングは褒められるものではなかったのですが、観客の皆さんがめちゃくちゃに盛り上げてくださって最高でした

みんな拍手させすぎてごめんな。

ROUND25の黒バブルを検証する

さて、ここからは少し真面目なパズルボブルのお話です。

ROOUND25のこちらのシーン。

 

この場面で、解説のお兄さんは「黒は手前(右側の房の一番下)かな」と言っていますが、私は確固たる意志を持って左側に打っています

なぜ私がここで左側に打ったかを解説します。どうせお兄さんは私のレポの中身なんてしっかり読んでないだろうしええやろ

左に打った理由

私が左に打ったのは、NEXTに青が来ていたからです。

このNEXTで左上の青を4個消しできれば、フィールドから青が消えるため、欲しい色を引ける確率が5分の1から4分の1に上がります。

しかし、この位置から青を入れるのはなかなか難しいもの。そこで、今手元にある黒で青の下にぶら下がったバブルを消してしまえば、青が消しやすくなります

 

とはいえ、この選択もなかなかリスキーです。この黒を入れるのもかなり難しく、失敗したら青の通り道を塞ぐ可能性があったからです。失敗したらNEXTの青は完全に無駄になりますし、リカバリには黒バブルがたくさん必要です。

でも、やれるなら挑むのがRTA走者じゃないですか。加えて、この状態では右側を放置していても問題ないという自信がありました。

右に打つ場合

この場面で右に打つ場合、それは単に延命を指します。

パズルボブルでは、下のデッドラインをバブルが超えるとゲームオーバーなので、黒を消せばラインが1段上がり、1段分延命できます。

 

パズルボブルは、バブルを一定数打つと天井が落ちてきますが、その天井のスピードはバブルの色の数に依存します。

詳しい計算式は省略しますが、5色の盤面では、バブルを8つ打つと天井が落ちてきます。

今回の場合、黒を引いた時点で天井が落ちるまでは3つ。つまり、右下の黒がデッドラインを割るまでは、色の抽選のチャンスが1+8=9つ分あるわけです。

 

では、この右側の黒を消す方法を考えてみましょう。

最も簡単なのは、黒を1つ引くこと。黒の3個消しでいけますね。

次に、赤を2つ引くこと。黒を1つも引けなくても、赤を2つ引ければ根元をちぎって落とせます。

 

では、黒を1つも引けず、赤を1つしか引けなかった場合でも黒は落とせないのでしょうか。いいえ、紫を1つ引いたあとに赤を1つでも引ければ、同じように根元の赤が落とせます

仮に紫を引いた後に1つも赤を引けなくても、もう1つ紫を引ければ右の根元が落とせます。

 

つまり、青を消すのに失敗した場合は「青とオレンジだけを引き続ける」、青を消せた場合は「オレンジだけを引き続ける」ことだけが、右下の黒がデッドラインを超える条件なのです。

計算してみると、前者の場合はおよそ0.06%、後者に至っては262144分の1という低確率(おバカさんなので計算間違ってたらごめんなさい)です。

この確率が瞬時に計算できたわけがありませんが、肌感覚で「あ、これは右を放置してても問題ないな」と思ったので左を狙いました。

 

まあ、その後のNEXTに青が来てるのを見てなくて当初の目的である青を消すことに失敗しているので、めちゃくちゃダサいんですけどね。

完走後

正直、途中まで「これは自己ベストあるかもしれない」と思っていましたが、アーカイブを見たら全然遅かったです。でも一発通しにしては上々だったんじゃないでしょうか。

お兄さんが褒めてくれたので嬉しかったです。解説ありがとね。

 

インタビューの時間にも好き勝手やらせていただき、ありがとうございました。みんなもイーグレットツーミニ買ってね!

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出番が終わってからは、ちょっとした有名人みたいでした。

会場から出ようとしたら、客席から「お姉さんお疲れ様!」という声が聞こえて、通路側に座っていた方が拍手してくださって、正直めちゃくちゃに気持ち良かったです。

 

会場を出たところの歩道で、「あ、パズルボブルのお姉さんだ!」と声を掛けられたので、「は~いお姉さんですよ~」と返して手を振りました。

町中で声を掛けられるなんてこれまで道を尋ねられるくらいしかなかったので、べらぼうに嬉しかったです。

 

あと、会場を出たすぐのところで、赤ちゃんを連れた女性に「パズルボブル見てました、すごかったです」と言われたので、赤ちゃんに「パズルボブルやろうね〜」と声を掛けるなどしていました。

周りの人にドン引きされました。

まとめ

マジで楽しかったです。いっぱい練習していっぱい徳を積んだ成果が出たかなとおもいます。

これで超グダグダな走りをしたらトラウマになってたかもしれませんが、いい走りができて調子に乗ったので、またオフイベに出たいです。

 

というわけで皆さんもパズルボブルをやりましょう。

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