3月7日・8日に開催された「RTA 1n Kagawa Online」にて、パズルボブル2の解説を担当させていただきました。
あまりにも楽しかったので、感想や裏話などをつらつら語りたいと思います。
アンケートのことなど
応募の段階で、アンケートでルートを決める予定であることは知っていました。
解説でも言った通り、ルートは64通りもあるんですよね。つまり、解説原稿もアンケートの結果が出ないと決まらないわけです。
ここが今回の一番の不安要素でした。多分走者はどのルートでも問題なく走ってくれるけど、私は原稿が決まらないときつい。さすがに練習したい。
それでも「多分4択くらいだろうな~」と高をくくって走者のposhiさん(以降「ぽ氏さん」と呼称)に確認したところ、
ぽ氏さん「分岐6回分の質問を用意します」
わたし「アッハイ」
64通りじゃん。
で、でも事前にアンケートの結果が出るはず! 決定後のルートで配信してもらえればリハもできる……! と思って確認したところ、
わたし「前日辺りでいいんで、ルート決定したら一回配信してもらえますか?」
ぽ氏さん「アンケートはギリギリまで開けとこうと思ったんですが、前日くらいで締め切った方がいいですか?」
チャレンジャーか??????????
この瞬間、解説者として走者と心中する覚悟ができました。
わたし「それなら配信なしで大丈夫です! アンケートもギリギリまで開けておきましょう!」
心中(読み)シンジュウ
[名](スル)
1 相愛の男女が合意の上で一緒に死ぬこと。情死。相対(あいたい)死に。
2 複数の者が一緒に死ぬこと。合意なしに相手を道連れにして死ぬ場合にもいう。「一家心中」「無理心中」
3 ある物事と運命をともにすること。「商売と心中する」
4 人に対して義理を守ること。
「―が立たぬと思ひ、親へ便りもせずに帰る」〈浄・歌念仏〉
5 愛し合っている男女が指や髪を切ったりして、愛情の変わらないことを示すこと。また、その証(あかし)。
「女郎の―に髪を切り爪をはなち」〈浮・一代男・四〉(出典:デジタル大辞泉)
かくして始まったアンケート。このアンケートによって自分の解説原稿も決まるので、紹介記事を書いたりとそれはもう必死。
ぽ氏さんが「最速ルートじゃない方がいい」みたいなことを言っていたので、
まだ投票してない人にお願いです。
— ㊗パズルボブルシリーズ最新作開発開始㊗ (@Shinonon_1020) 2020年3月3日
このままだとほぼ最速ルートになってしまっておもしろくないので、全アンケート共通で「左、右」の選択肢以外に投票してもらえますか?#R1KOnline https://t.co/QT70Wv2BMT
こんなツイートをしてアンケートの内容を操作したりもしました。だって走者がそう言うから。
やってることがヤンデレのそれ。
かくして、ルートは一番遅い(走者談)ずっと右ルートに決まったのでした。
パズルボブルのお姉さんができるまで
そんなこんなで原稿が決まらぬまま過ごしていた2月27日。いつものように夕飯の支度をしていたタイトーの回し者に電流が走りました。
「待てよ……幼児向け番組のノリで解説が始まったら面白いのでは……!?」
実はこの「パズルボブルのお姉さん」は以前から考えていたネタで、自分でプレイしながらお姉さんの声で解説する終始茶番のRTAを思いついてはいたのですが、披露する場所もなければそんな芸当もできないという理由で没になっていたのです。
しかし、今回は解説なので自分でRTAをしなくて済む、冒頭だけならRTAの邪魔にもならない、イベントで大勢の人に見てもらえる……やるしかない! と思い、その場で一気に原稿を書き上げました。
でも、「パズルボブルのお姉さんをやってもいいですか!」って走者にお願いするの死ぬほど恥ずかしくない!???!?!本気で頭のおかしい奴だって思われそうじゃない!!??!?
と思ってとりあえずツイートだけ投げました。この時間(平日の18時前)なら、まだぽ氏さんもお仕事をしているはずだ。大丈夫。きっとTLの波に飲まれていく。
R1KOnlineの解説ネタが1つ思い付いたのですが、走者に許可をとる段階で既に恥ずかしい感じなのでお蔵入りになるかもしれません。
— ㊗パズルボブルシリーズ最新作開発開始㊗ (@Shinonon_1020) 2020年2月27日
ならなかったら当日笑ってくれ。
即いいねが飛んでくる。10分くらいで飛んでくる。しかも「なんだなんだ」みたいな感じの空リプまで飛んでくる。
全てを諦め、ぽ氏さんに原稿を添付してDMを送りました。
わたし「音声が配信に乗った瞬間これ(原稿)を読み上げます」
ぽ氏さん「採用」
マジかよ。
ぽ氏さんのノリが良すぎる。何も言わずにこれを採用してくれるの強すぎる。
ちゃんと原稿読んだ? 自分が勝手にパズルボブルのお兄さんにさせられてること気付いてる? 今後私の「タイトーの回し者」みたいに「パズルボブルのお兄さん」って呼ばれ続けてもいいの?
あと、DiscordのDMって太文字送れるんだ……ってこの時知りました。
そこからは練習の日々。この時点でまだアンケートの結果が出ておらず、解説原稿が決定していないため、たとえ茶番でも確定している原稿があるだけでとても心強かったです。
しかし、台本を暗記するくらい読み込んでも、理想のお姉さんには近づきません。
本番も差し迫った3月5日、研究のためにNHKの「おかあさんといっしょ」の歴代のうたのお姉さんのトークを聞いていたとき、あることに気付きます。
「この人たち、歌う声で話してる……!」
そう。同じNHKの番組に出演していながら、彼女たちはアナウンサーとは異なり、歌う時の声のまま話しているのです。
歌声だからこそ、高い声で話してもわざとらしさがなく、自然に聞き取ることができる。プロである彼女たちと全く同じとまではいかなくても、歌声で話せるようになれば、追い求めていた声が出せるはずです。
試しに童謡を1曲歌い、それから話してみると……明らかに違う! 確実にうたのお姉さんに近づいている!
先の見えない練習の日々に、その夜、確かに一筋の光が差したのです。
意味が分からなさすぎて信じてもらえないかもしれないけど、今、香川に向けて童謡を歌いまくっています。
— ㊗パズルボブルシリーズ最新作開発開始㊗ (@Shinonon_1020) 2020年3月5日
その結果、誰もいない空間に語りかけるように童謡を歌う激ヤバ成人女性が爆誕したのでした。
本番当日
そうして迎えた本番当日。
無事に解説原稿も完成し、いつもより早めに家事を済ませた私は、自分の出番を今か今かと待っていました。もちろん、童謡を歌いながら。
今回もトイレ掃除したので運勢を呼ぶ準備はバッチリ
— ㊗パズルボブルシリーズ最新作開発開始㊗ (@Shinonon_1020) 2020年3月7日
RiJのときと同様、ちゃんとトイレも掃除しました。トイレの神様、頼んだぞ。
心拍数の緩やかな上昇を感じながら配信を見ていると、ぽ氏さんから連絡が。
ぽ氏さん「映像と音見れますか?」
わたし「どっちも問題ないです!」
ぽ氏さん「じゃあ1回だけ通しますね」
最初で最後のリハーサル。この時には、原稿の内容をちゃんと読めるかどうかより、いかに流れを遮らずに最後までやり遂げるかを意識していました。
ここでの走りの内容は、そこまで詳しく覚えていないのですが、いつものぽ氏さんの調子ではないことは明らかでした。
数日前からあまり調子が良くないと言っていたこともあり、本人も不安な様子です。
パズルボブルのお兄さんがんばって。
このタイミングで運営の方からお声がかかり、控室へ移動しました。
控室にて
控室では、運営のゆとりんさんが待っていてくれました。
猫耳セットが送られてきました
— Yutori/ゆとりん (@M_YTR_FRMK) 2020年2月22日
ありがとうございます! pic.twitter.com/3zQaq9R01I
ゆとりんさんは、RTA走者では数少ないTwitchパートナーでいらっしゃいます。私が初めてゆとりんさんを存じ上げたのは、琴葉姉妹の没データ散歩の動画でした。
一方的に存じ上げていたところ、ある日Twitterで相互フォローの関係となり、今に至ります。
実はゆとりんさんとお話するのはこれが初めてでして、テンションが上がっていろいろと失礼なことを申し上げてしまいました。失礼いたしました。
ただ、1つだけよろしいですか。
エモートにならなくても、女装姿、お待ちしています。
そんな話をしていると、ぽ氏さんが合流。
わたし「ぽ氏さ~~~~~~ん!!!!大丈夫ですか~~~!!!!!!!」
ぽ氏さん「いや、ヤバいっす」
ウザ絡みする解説者。数分で一度退出する走者。 大丈夫だろうか、パズルボブル勢。
ちょうどこの時はshiroさんの「カービィのすいこみ大作戦」が行われていたのですが、めちゃくちゃ見たかったのに見ている余裕がありませんでした。緊張しすぎて。
そんな感じで緊張でガッチガチの我々に、ゆとりんさんは優しく言葉をかけてくださいました。
ゆとりんさん、本当にありがとうございました。感謝してもしきれません。
セットアップ
さて、そんなこんなで迎えた本番。まずはセットアップからです。
セットアップ中は、このイベントの主催者でもあるCmaさんが対応してくれました。
1週間以上前のファミ通を間違えて購入したのは、この男〜〜〜〜〜!!!!
— Cma (@cma2819) 2020年2月12日
時オカのRTAを走ってらっしゃる方で、知識も豊富な優しいお兄さんです。
Cmaさん「ちょっと喋ってもらえますか?」
わたし「はーい」
Cmaさん「茶番の声量でお願いします」
わたし「アッハイ……みんな~!こーんにーちはー! って感じで始まって、みんなで応援しよう!せーの! って言ったら素に戻ります」
Cmaさん「了解ですw」
いや草生やすなや。やってる私が一番恥ずかしいんだぞ。
CmaさんとはRTAGamersの運営という接点があるのですが、専門分野が違うのでそこまで話したことがなく、この日が2回目か3回目くらいです。
Cmaさんが私のことをどう思っているかは分かりませんが、私は「技術の知識が豊富でイベント運営なども手慣れている、仕事ができる人」だと思っています。
そんな人の前で茶番やって自分の口から説明をしなきゃいけないの、今年一番の罰ゲームだなと思いました。
あと、この一連の会話と私が恥ずかしがる様子を全部ぽ氏さんに聞かれていたのかと思うと、それはそれでめちゃくちゃ恥ずかしいです。
さて、そんなことを言っている間に本番がやってきました。
パズルボブルのお姉さんからの本番
本番は、ゆとりんさんのおかげで「マイクがONになった瞬間茶番が始まる」という希望がばっちり叶いました。ゆとりんさん本当にありがとうございます。
RiJのときはコメントを見る余裕が全くなく、運営の方が用意してくださったコメント閲覧用のタブレットはもう一人の解説者に渡していたのですが、今回はほんの少しだけコメントを見る余裕がありました。
パズルボブルのお姉さんをやりながらチラチラコメントを見ていたのですが、コメント欄のノリが良くて最高でした。
RTAリスナー、ほんと優しすぎる。突然の幼児扱いにも動じずに「はーい!」とか「わかんなーい!」とか「がんばえー!」ってコメントを打ってくれるリスナーの優しさに、この時点でめちゃくちゃ感動していました。
コメントに返信する記事も書いたので、こちらも良ければどうぞ。
freewheelingbubbles.hateblo.jp
でもって本番のRTAの方は、ぽ氏お兄さんならやってくれるでしょう! という感じでそれほど心配はしていませんでした。
本人も「安定を重視して撃っていた」と言っていたとおり、普段のぽ氏お兄さんのショットよりも少しだけゆっくりだったので、解説もしやすかったです。
だって、普段のぽ氏お兄さん、この速さだからね。この速さで撃たれたら解説してる余裕ないから。
解説しながら一番盛り上がったのは、やはりN-2ですね。
クリップにもしていただいたとおり、解説そっちのけで盛り上がり、手を叩きながらリスナーに褒めるよう指示する様子は、何度見返しても解説者の行動とは思えないです。クリップありがとうございました。
実はこの喜びようには裏話がありまして、本番前の控室にて、
ぽ氏さん「N-2がノーコンで行ける気がしない」
わたし「ここは仕方ないですよ。2、3回死んでも気にしないでいきましょう」
というやり取りがあったのです。
なので、まさか本当にノーコンで突破するとは思っていなくて、のんきに上入力の話をしていたところ、気が付いたらクリア目前まできていたので思わずテンションが上がってしまったというわけです。
そんな感じでテンションのままに話していたら、「必須」のタブに書いてあった原稿を半分以上読まないまま出番が終了していました。猛省。
終了後
そんなこんなで出番が終わり、しばらくは何も手につきませんでした。放心状態。
パズルボブル2が終わってからも、イベントは順調に進行していって、今見ているイベントについさっきまで自分が出ていたなんて、考えられませんでした。
いろいろ言いたいことはあったはずなんですが、イベントが全て終わってみると、「楽しかった」しか出てこないですね。
運営の皆様、走者や解説者の皆様、見てくださった皆様、本当にありがとうございました。
ちなみに
今回一番驚いたのは、「自分の知らないところで『タイトーの回し者』という呼称の認知度が上がっていること」です。