その日私はタイトーの回し者になった ~RTA in Japan 2019参加レポート~

ごきげんよう紫乃です。

普段は1カ月に1回あるかないかくらいのペースでtwitchで配信するくらいのゆるRTA走者です。

そんな走者の端くれの私が、日本国内最大のRTAイベント「RTA in Japan」(以下、RiJ)に解説役として出場しました

画面向かって左が私です。

 

RiJに出場し、タイトーの回し者」と呼ばれるようになるまでの経緯をお話ししようと思います。

 

出場決定までの経緯

前述のとおり、ゆるRTA走者の私はRiJに応募もせず、他の走者がパズルボブルで応募するのを見て

「ヒャッハー! パズルボブルの応募が複数あるなんてここは天国か?」

くらいに楽しんでいました。

 

その後、選考結果が出てパズルボブル2が採用された際にも、 

「後ろのソファ席ですげえ存在感放ってやるぜ!」

としか考えていませんでした。

あのソファ席に憧れてたんですよね。実際のところはそれよりも走者と解説が座るあの席に憧れていたわけですが。

 

そんなこんなで、全く出場する気はないくせに爪痕を残そうとしていたある日、走者のぽてとでぃがーさん(以下、ぽ氏さん)からDMが届きます。

 

「せっかくなので解説席に来ていただけませんんか?」

 

その瞬間、ソファ席にバブルンのぬいぐるみを並べようだとかうーるんのコスプレをしようだとかいう雑念を一気に投げ捨て、勢いのままに返信しました。

 

「やります! やらせてください!!!」

 

こっそりと解説準備

 そうして解説が決まったのが11月の上旬。

当初は2カ月近く時間があるので、

「きっと近くなったら打ち合わせとかやるんだろうな~。discordで通話とかしながらリハーサルとかしちゃうんだろうな~」

とのんきに考えていました。

 

しかし。

本番3日前になっても打ち合わせの気配が全くない。

 

普通だったらここで慌てるところなんですが、解説に家庭用パズルボブルRTAをしているブレーキさんもいることが分かっていたので、

「ん~まあ、ブレーキさんめちゃくちゃ詳しいし何とかなるでしょ!」

と思いながら、自分が語れそうな内容をルーズリーフに書き出していました。

 

ちなみに、この解説準備を進めている間、解説をすることは一切公表せず、Twitterも非公開設定にしていました。

信じてもらえないかもしれませんが、私は人前に出るのが苦手だからです。

 

え、聞こえませんでした? もう一度言いますね。

私は人前に出るのが苦手です。

 

方々から「嘘つけ」、「信じられない」、「どの口が言うか」などの言葉が聞こえてきますが、言い訳させてください。

「人前に出る」と言っても、会場で聴衆を前に話すだけなら問題ありません。

前職でイベントの司会を務めたこともあるので、あの規模の会場で話すだけなら大丈夫です(※前職の詳しい話は後述)

ただ、問題は「自分が話している様子が全世界に生中継されるうえにアーカイブがネット上に残る」ことです。

 

RTA in Japanといったら、注目度もとても高いイベントじゃないですか。

配信とアーカイブを含めたら、何万人という人が見るわけじゃないですか。

その中には優しい人だけじゃなく悪意ある人もいるじゃないですか。そういう人に

「あいつウザくね?」

とか、

「ブスのくせに何いきがってんだ?」

とか、

「調子乗ってんじゃねえぞ」

とか言われるんじゃないかと考えると、

「ああ~~~~~~~もう無理~~~~~~~~~~ほんとやめて~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

ってなってたわけです。メンタル弱いので。

だからリプライで知らない人から攻撃される前に自衛しとこ! と思ったわけです。

 

まあ全部杞憂だったんですけどね。

 

 本番当日

そんなこんなで迎えた当日。

東京近郊の方は会場の下見がてら見学したり、遠方の方は宿泊して5日間ずっとイベントを堪能したりしていたようですが、私はパズルボブルが行われる28日のみの参戦でした。

 

本番まで

出番が午後5時ごろということもあり、時間には余裕があったため、洗面台やトイレの大掃除をしてから出発しました

水回りを綺麗にすると運勢が良くなるって風水の専門家が言ってたからね。

 

自宅で昼食を終えてから、電車を乗り継ぎ秋葉原へ。

Googleマップを見ながら歩いているのに会場と逆方向に進むという方向音痴っぷりを見せつけながら、なんとか会場へ到着しました。

入口で受付の方に、

「観覧の方ですか?」

と聞かれ、

「いえ、解説です!」

と答えた時のボルテージ、入場前から最高潮でした。

 

トイレでTシャツに着替えて会場入りしてから、まずは既に会場入りしているブレーキさんを捜索。

無事に合流し、「解説前にアケアカのパズルボブルをやっておきたい」ということだったので、私が持ってきたSwitchでVSモードを走ってもらいました。

 

いや、早え。

パズルボブルの家庭版には「LボタンとRボタンで1ドットずつ調整ができる」という機能があるのですが、アーケード版にはそれがありません。

今回ぽ氏さんが走ったアケアカNEOGEOにも、その機能はありません。

普段LRボタンで1ドットの調整をしているはずの人が、その機能がないアーケード版でさくさくと敵を倒していく……。

伝わりにくいかもしれませんけど、これ、すごいことなんですよ。

タイムは残念ながら忘れてしまったんですが、私がリセットなしで走った時より断然早かったです。私、もっと頑張れ。

 

そんなことをしている間に、弓矢の神様を祀る皆中稲荷神社への参拝を終えたぽ氏さんが合流しました。

この神社に参拝するように勧めたのは私です。本番では10分切れたしご利益あったかな……?

 

3人が揃ったのでここで差し入れタイム。

私は地元の神社で売っているご利益のありそうなクッキーを持ってきました。こいつ神頼みしかしてないな。

するとぽ氏さんがおもむろに鞄を開け、

「これ、作ってきたのでどうぞ」

 

 

えええええええええええええ~~~~~~~~!?!???!?!??!?!?!??

めっちゃかわいいんだが!??!?!?!??!?!??!?!?!?!?!!

神なのでは!????!?!??!?!?!?!!?!??!?!?!??!?!?!??!!

 

と、これまでの文体を全く無視したオタクツイートみたいな発言をしてしまう程度には大興奮しました。

どうやらブレーキさんは「好きなキャラ何ですか?」みたいなことを聞かれたため、「何か作るんだろうな」と予想していたようですが、そんなこと全く知らない私は

「エッエッ……アッ……カワ……」

などと語彙力を失ったオタクみたいな声を上げながら喜んでいました

 

そうでしたね。

会場内だったので大きな声が出せない分声のトーンが上がっていたので、多分あの時イルカになら感知してもらえる超音波を発してたと思います。

 

ちなみに、このタオルを作ったぽ氏さんは私とブレーキさんの分を持ってきて自分のタオルは忘れてくるというドジっ子っぷりを発揮していましたが、それはそれで可愛いので良いと思います。

 

ぽ氏さんが練習している間は後ろから見たり近くのお兄さんとお話ししたりしていたのですが、いややっぱ早えわ

本人がタイマーを止めてから

「あ~、ちょっと遅かったな……」

くらいの反応をしているときに、後ろからすかさず

「これでも私の自己ベストより早いんですけどね」

と口を出してしまうくらいには早かったです。調子もいいようで何より。

 

その後、ゆるゆるっと

こんな感じで分担を決め、本番に臨むことになりました。

 

余談ですが、一緒に話をしていた二人のお兄さんのうち一人がその場でパズルボブル2を買ってくださったので、会話中でパズルボブルをごり押しした身としてはとても嬉しかったです。

もう一人のお兄さんとは名刺交換もさせていただきました。

 

この時点では「いいお兄さんだぁ……」くらいにしか思っていなかったのですが、

パズルボブル2を買ってくれたお兄さんが国内外を問わずさまざまなテトリスの大会で活躍するhebo-MAIさん

名刺交換をしたお兄さんが世界でも5本の指に入るレベルのテトリスプレイヤーのりょくちゃさんという、

テトリス界の大御所だったということに気付くのは、もう少し後のお話です。

 

本番

 

ぽ氏さんが練習を終えたのに合わせて、2つ前の「東方非想天則」、1つ前の「海腹川背」(リンクは走者さんのレポです)を見ながら待機していた我々。

とうとう本番の時がやってきました。

 

憧れ続けたあの席! 走者と解説しか座れないあの席!

どういう並びで座るか決めてなかったので若干もたもたしたのは内緒です。

ぽ氏さんが作ってくれたタオルを見やすいようにソファの背もたれにのせて、いざスタートです!

 

最初は「いや~大丈夫かな~」などと思ってもいたのですが、いざ始まってしまうともう手の付けようがないほどノリノリでした。

遮音性の高いヘッドセットをしていても聞こえてくる会場の反応が、本当に心地良かったです。

 

コメントなどで「その手の職業の人みたい」などとありがたいお言葉を頂きましたが、実際に「その手の職業」みたいなことをやっていた経験があります。

前職では広報部門に配属されていたこともあり、社が主催するイベントや式典で司会をしたことが何度かありますし、「企業の謎に迫る!」みたいなテレビ番組に広報の人として出演したこともあります。

イベントの司会もスタジオでのテレビ収録も楽しかったのですが、今回のRiJは心の底から本当に楽しかったです。

 

そんなこんなで最高の気分のまま、あっという間に出番が終わってしまいました。

でも、あっという間に終わったってことは、いいタイムが出せたってことですからね。RTA的にはオールオッケーです。

 

本番後

 

本番終了後、席に戻ってまずTwitterを見ました。

私の影響力、あと一歩及ばず。

 

それでも解説に記載しきれないほど多くのお褒めの言葉をたくさん頂いていて、嬉しくて嬉しくて泣いちゃいそうでした。

どうやら中傷のリプライを送ってくる人はいなさそうだと判断し、ここでTwitterの非公開設定も解除しました。

単純に嬉しい褒め言葉から笑っちゃうような呼び名までいろいろコメント頂いたのですが、中でも印象に残っているのがこれです。

 

私はその日、タイトーの回し者になりました。

 

その後は「キャサリン・フルボディ」、「ルミネスリマスター」、「借金返済王」を見て会場を後にしました。

感動しきりの笑いっぱなしで、声が枯れかけました。幸せなつらさ。

 

駅の近くまで着いてから、せっかくなのでと3人で食事をすることに。

ちょうど駅前に餃子の王将があったので入店。なぜかみんな炒飯を頼んでいました。あんなにメニューいっぱいあるのに。仲良しかな?

余談ですが、ぽ氏さんが「餃子の王将の餃子が一番好き」、「本当に美味しい」などと餃子の王将の餃子の魅力を力説していたのが可愛かったです。

 

食事後、ちょこっとだけパズルボブルで対戦しました。

モニターがなくても遊べるSwitchって本当に便利だなと初めて実感しました。普段外で誰かと遊ぶことがないので……悲しいなあ……。

結果、1勝もすることができなかったんですが、まあ当然ですね。残当

普段トッププレイヤー同士の対戦を見ることがないので、ぽ氏さんとブレーキさんの対戦を

はえ~……うっまいなあ……」

と堪能させていただきました。30秒だけですが録画も残してあるので、思い出したように見返してはニヤニヤしています

 

終電の時間が近づいていたので対戦会はお開き。

最終の新幹線に揺られて無事に帰宅し、私のRiJの出番は終了しました。

 

その後の反響

私の出番が終わってもRiJは続くので、大掃除の傍ら配信を見つつ、Twitchのチャット欄などの反響を確認していました。

今回のRiJでは英語のrestreamもあったのですが、そこでハワイ在住のパズルボブル走者であるTokuHer0さんが解説をしてくれたので、そちらも見ました。

Thanks TokuHer0! :)

 

このツイートでは「音声切られててウケる」みたいなこと言ってますが、このrestreamがなかったら音声をミュートせずに見られる動画がなかったので、結果として良かったと思います。

他の走者や解説の皆さんはどうなのか分かりませんが、私は未だに自分の解説を聞けていません

だって恥ずかしいじゃないですか。自分の声あんまり好きじゃないんですよ。話すこと自体は好きなくせに自分の声を聞くのが本当に苦手なんですよ……。

 

そんな理由でTwitchのチャットを確認するときは常にミュートなんですが、本人のネガティブさにもかかわらずチャット欄が本当に優しくて、本当に心救われました。

特にみんな優しいなと感じたのは、動画冒頭でカメラに向かって手を振ったところでチャットの皆さんが手を振り返してくれたところです。

まさかこんなに反応してくれるなんて思ってもいませんでした。ありがとうございました。

手を振り返してくれた皆さんにパズルボブルの神様のご加護がありますように。

 

もちろんTwitterYoutubeのコメントも日々確認しています。

褒めてもらえるのも嬉しいですが、RTAを始めたいというコメントが一番嬉しいですね。

このイベントに参加できて良かったです。ぽ氏さんとブレーキさん、スタッフの皆さん、見て頂いた皆さん、本当にありがとうございました!

 

最後に宣伝

RiJでも宣伝したバブルボブルの新作「バブルボブル 4 フレンズ」は2月27日発売です!

個人的におすすめなのは、レトロゲーム専門店BEEPの予約特典「初代バブルボブル基板プリント下敷きです。

最高の予約特典だと思います。今ならまだ間に合う。買おう。

 

あと、例によって例のごとくアケアカNEOGEO パズルボブル2の購入リンクを貼っておきます。

タイトーの回し者なので何度でも言います。買いましょう。

 

NS

ec.nintendo.com

PS4

www.jp.playstation.com

Xbox One

www.microsoft.com

Windows

www.microsoft.com