AGDQ2022のパズルボブル4に向けて同タイトルの取扱説明書を眺めていると、ふと裏表紙が目に入りました。
PS版のパズルボブル4が発売された1998年当時、タイトーの本社は東京都千代田区にありました。2022年現在の本社は新宿区にあり、ここに記載されている千代田区の住所はシェアオフィスになっています。
そこで1つ、ある疑問が浮かびました。
「おたよりのあて先の場所には、今何があるんだろう?」
思い立ったが吉日。株式会社タイトーCP販売部販売課とタイトーゲームソフト修理係のあった場所には、今何があるのでしょう。早速調査に乗り出しました。
Google先生に訊いてみよう
本来なら実際に出向くべきものですが、折しもご時世がご時世になってきたため外出がしづらく、まずはインターネットで調べてみることにしました。
Googleの検索窓に「神奈川県横浜市港北区高田町50」と入れて検索ボタンを押します。
出ません。
なんでや。Google先生は何でも知ってるんとちゃうんか。
Googleマップに入れても、「この範囲が高田町やで」としか教えてくれません。
しかし、まだ策が尽きたわけではありません。
我々にはゼンリンがいます。日本が誇る住宅地図、この地図なら建物の番地まで併記してくれています。
なんでや。
ゼンリンさんも分からないとなると、考えられる可能性は1つです。
住居表示実施地区旧新対照表を見てみよう
その可能性とは、住居表示が実施されたことです。
そもそも、住居表示とは、「◆◆市◆◆町〇番○号」のように建物に割り振られた番号のことです。郵便配達などで使われるため、いわゆる「住所」とほぼ同義です。
一方、「◆◆市◆◆町○○」のようなものは地番と呼ばれ、その土地に対して割り振られた番号です。都市部ではあまり見られなくなってきたものの、市街地から離れた地域では地番が使われているケースも多いです。
今回探している「神奈川県横浜市港北区高田町50」は、後者の地番に当たります。
この地番、決めたばかりの時はいいのですが、時が経つにつれ土地を合体させたり分割したりするうちに番号の抜けや飛びが増えるというデメリットがあり、規則性がどんどん失われてしまいます。
その結果、住所が分からず緊急車両が迷うなど、人命に関わる事態を招く恐れもあるため、住宅地を中心に住居表示を新たに制定するケースがあるのです。
つまり何が言いたいかというと、1998年8月から2022年までのどこかのタイミングで住所が変わったというわけです。
では、その変わった住所はどこで調べればいいのでしょう。答えは、横浜市が出している住居表示実施地区旧新対照表です。
ホームページにも掲載されていて、住居表示が実施された地区の地番を確認できます。
ここで港北区高田町のデータを見てみましょう。すると、平成10年(1998年)の10月と平成11年(1999年)の10月に高田町の住居表示が実施されたことが分かります。
まずは平成10年の方を見てみると、地番が377から始まっているため、こちらではないようです。
続けて平成11年の方を見てみると……50、ありました!
対照表によると、高田町50の住居表示は「高田西1丁目16-28」。これでGoogle先生に訊いてみれば教えてくれるはずです。
ストリートビューで在りし日に思いをはせる
さて、これで検索してみましょう。
出ました! 良かった良かった。
せっかくなので、ストリートビューで見てみましょう。
果たして、かつてタイトーへのファンレターを受け付けていたCP販売部販売課は、今どうなっているのでしょうか……!?
ドラッグストアだった。
どうやら、この「FitCare DEPOT」は広い売り場面積を誇るスーパードラッグストアで、いずれの店舗も200~300坪(小学校の体育館が300坪くらい)の売り場面積があるそうです。
きっとこの土地には、ゲームソフト修理係とCP販売部販売課が入った大きなタイトービルが建っていたのでしょう。
広い売り場に大きな駐車場を持ったドラッグストアを見て、そんなことを考えていました。
こういうタイプの聖地巡礼もアリかも
というわけで、かつてタイトーへのファンレターを受け付けていた地をバーチャルで巡ってきました。
こういうタイプの聖地巡礼、他の企業でやっても面白そうですね。